いもめも

プレイしたゲームの雑感とか

PS「幻想水滸伝」(1995)

幻想水滸伝

 ツミほろぼし第一作目としてプレイした「幻想水滸伝」についてのススメ。

 オリジナルは初代PSですが、PSPにて「幻想水滸伝I&II」として続編とともに抱き合わせで移植されているようです。今から購入する場合、PSP及びVita向けのダウンロード版がベターだと思われます(配信時は実機でのプレイでしたが、多分後々購入すると思います。)

store.playstation.com

 

 

 

幻想水滸伝のススメ

システム:9/10

グラフィック:8/10

音楽:7/10

シナリオ:9/10

世界観:7/10

要素:RPG、マルチエンド、やりこみ、探索、鬱(弱)

初見プレイ時間:24時間ほど

 

  プレイステーションよ。これがRPGだ!」

  このキャッチコピーに偽りなしの、古き良き風情のあるRPG。とはいえ、今「古き良き」という言葉を使えるのは、その時代における相応の技術力の高さを持っていたということの証左であり、非常に優れたクオリティを有していたからこそ、後の時代にはかえって「懐かしい」という言葉を向けられるようになるのだろうなと思います。

 とにかく、プレイ感が良く、ストレスフリーにできる工夫が多数施されている。苦労に対する見返りもキチンと用意されていて、プレイヤーとしては自分がやったことに対して気持ちを裏切られる場面が少ない。莫大な数のキャラクターのいるゲームであるのに、それをきちんと管理できており、キャラクターごとの強弱こそあれど、クリアを阻害するほどのものではない。バランス面において、非常に行き届いた優等生的なゲームだと思います。スケールの大きい、王道RPGをやりたい!というときに、間違いなくお勧めできる作品です。

 

各要素におけるポイント

 本作は世界観のバランスが非常に絶妙なさじ加減で成り立っているように感じられました。民族的な、洗練されすぎていない文化的情緒を持たせつつも、どこかのカルチャーに偏っている様子を感じさせません。非常に不思議な感覚ですが、無国籍エスニックと呼びたいような、非常に独特の世界観を持っています。この見事な調和が、他にはないながらも決してクセの強さを感じさせないテイストを織りなしていて、この作品の触れやすさを下支えしているように思えます。

 グラフィック面は非常に丁寧に作られています。キャラの個性もたっており、ドット絵もかなりかわいらしく動いてくれます。回転・縮小・歪曲のようなビジュアルエフェクトも使いこなされており、かなり派手な演出が楽しめます。その一方で、紋章(魔法)エフェクトが少々冗長で、戦闘のテンポがかなり速い中で突っかかりを覚える点に感じられました。が、元の戦闘のテンポの良さに起因するところであり、人によっては気にならない可能性もあります。

 楽曲もまた無国籍情緒の中でファンタジーテイストを損なわず、それぞれの場面を盛り立てる楽曲がそろっているように思われます。人探しやらなんやらでフィールド・ダンジョンを歩き回る機会が多いですが、聞き飽きる楽曲はほとんどないと思います。また、要となるイベントシーンの楽曲も非常に空気感の演出に買っており、特にシリアスな場面で流れる楽曲については、運命に導かれて厳しい試練に立ち向かう主人公の心境を見事に描いているように思われました。

 シナリオは非常によくできていると思います。ただ巨悪を倒すだとか、選ばれた勇者だとか、そういった実感を得づらい導入ではなく、しっかりと主人公が旅立つ理由、目的を果たそうとするわけが明示されており、あるべくしてある主人公が世界・時代を動かしているのがストーリー展開の中でしっかり描かれています。これが、しっかりとしたプレイ感につながっていると思います。
 展開そのものもかなりドラマティックに出来上がっており、108人の仲間と立ちはだかる他の面々についてそれぞれの思いや人生が交錯し、一つの大きな時代の流れを作り出しています。運命づけられた存在であるが故の葛藤や、鬱展開ともいえる、厳しい場面もありますが、それぞれのキャラクター描写を怠っていないために、場面場面に現れるセリフにもしっかりとした説得力が付与されています。なので、ただただ茫然とさせるのではなく、しっかりと主人公・プレイヤーに前を向かせるような構成になっているように思えます。ただし、グッドエンドに辿り着くのは事前情報なしには困難なのではなかろうかと思えました。一周クリア後に情報を得ましたが、中々厳しいような…。通常エンドは通常エンドで、趣あるものですけどね。

 システム面は自分にとっては一番の評価点になるかと思います。特別に目新しいものがあるというわけではありませんが、戦闘のスムーズさ、70人超(かな?)のパーティーキャラがいる中でのレベリングのしやすさ、紋章攻撃や装備品のパワーバランス等々…引っ掛かりを覚える場面は少ないと思いますし、苦痛に感じない程度でありながらシビアなバランスでの難易度の上昇があり、歯ごたえがあります。フィールドはかなり広いですが、探索を助ける移動速度上昇用の紋章・キャラもいますし、中盤以降はいわゆるテレポート的な機能を手軽に用いることができるようになります。便利加減も程よいです。加えて、お遊び的なカスタマイズ要素がコレクション的に用意されている点も、長く楽しめるポイントかと思います。ただし、要所要所には説明不足を感じる場面もあります。リトライで何とかなるものではありますが、セーブを怠っていると「うっかり」は十分あり得るかと思います。

 全体的に見て、難易度は難しすぎず、簡単すぎず。ゲームを通してのリトライ回数は片手で収まる程度でした。ただし、事前情報がないと取り返しのつかない場面はいくつかあります。一周20時間程度というのは特別重量があるというわけでもないですが、周回をせずにベストエンドにたどり着きたい場合にはある程度攻略に目を通す必要・しっかり準備をする必要があるかと思います。

 ファンタジー的世界観に適性のある多くのゲームプレイヤー(やゲームに興味のある人)においては、万人にお勧めしたい作品です。ぜひ。