いもめも

プレイしたゲームの雑感とか

GBA「MOTHER1+2」(2003)

MOTHER1+2

 ツミほろぼし第二作目としてプレイした「MOTHER1+2」についてのススメ。今のところMOTHER部分についてのみ記述しています。

 オリジナルはFC及びSFCですが、移植に際し幾分か内容に改変が加えられています。現在はオリジナルである「MOTHER」及び「MOTHER2」共にバーチャルコンソール版の配信がされています。規制などの問題により、こちらの配信版もオリジナル版に改編を加えたものになってはいますが、1+2版では容量の問題で省略・簡略化された部分についての描写も怠っていないのでそちらをお勧めします。

 

 

 

MOTHERのススメ

システム:5/10

グラフィック:7/10

音楽:10/10

シナリオ:9/10

世界観:10/10

要素:RPG

初見プレイ時間:14時間ほど

 

  「エンディングまで泣くんじゃない」

  今もなお語り継がれるファミコン時代の名作です。後発の多くの作品に影響を与えたことで知られている気がします。自分が知っている中でも、「ポケットモンスター」シリーズはMOTHERをGBで楽しめるようにというのが原点だったと聞きますし、異世界徘徊系フリーゲームの傑作である「ゆめにっき」もこの作品からの影響を公言しています。コピーライターの糸井重里氏がゲームデザインを手がけたことも有名で、上に書いたゲームのキャッチコピーも非常に有名かと思います。

 なお、本レビューの内容は1+2収録版のものをプレイした際の感想をベースとしていますので、オリジナル版・VC版の相違がある点についてはご了承ください。

 

各要素におけるポイント

 もっともプッシュしたいポイントはやはり音楽です。物語の主軸に置かれている要素でもあり、シリーズを経ても音楽はMOTHERの世界観を構築する一大要素として存在していると思えます。近年では大乱闘スマッシュブラザーズシリーズにおいて往年の名作ゲームの楽曲たちもアレンジされることがあり、MOTHERの楽曲も収録されていますが、オリジナル版から既に染み入るメロディが満載。プレイを終えてもなお耳に残り、ひとたび聞けばすぐにゲームの感動を思い出させてくれる名曲ぞろいです。

 グラフィックも魅力的です。「2」の方がカラフルさもあって人気を得がちではありますが、こちらの作品においても小さな歩行グラフィックのなかにしっかり個性が詰め込まれています。また、敵グラフィックもユニークなキャラクターがそろっており、日常からほんの少しずれた、奇妙だけど愛嬌のある人・動物・機械等々がそろっています。マップは広大でこそありますが、一つ一つの建物の役割がわかりやすくできています。

 世界観やシナリオの点は、容量の限界による説明不足こそあれど、限られた中で粗密をうまくコントロールし、必要な部分に的確に描写を加えているように感じられます。特に世界観の部分については、1980年代のアメリカという舞台をエネミー・キャラクター・アイテム・テキスト様々の面からしっかりバックアップしていることで、自然に演出されているように思えます。少ない情報の中で、キャラクターそのものの、そして作り手の持っている人間的なぬくもりがありありと伝わってきます。ゲームだからこそのメタな発言がかえって人間臭く感じられるのは、まことにこのゲームが手作りであるからだなあと感じられます。ウケを狙うとか、そういったものではなく、ただただ正直に、真摯に、描きたいものを描いたんだろうなあと思わせてくれます。

 さて、一方で古いゲームだけあって、システム面についてはかなり不便に感じる点がありました。コマンドの選択(特にPSI関連)の選択しづらさや、ゲーム内でのPSIの効果の確認ができない点は、当時のゲームなら少なくはないと思いますが、今となってはかなり煩わしいです。世界の広大さや道しるべの少なさも、不親切に感じられました。少年の覗く、圧倒的な世界の大きさの演出には買っていますが、ゲームのテンポとしては悪くなりがちです。また、エンカウントの面はかなり不安定で、まったく敵と出会わないこともあれば、一歩歩いただけでエンカウントが重なることもあります。

 総じて、ゲームとしては粗削り・不親切に感じられる点こそあれど、作り手の眼差しが暖かく、気持ちのいい作品です。表現物としてのゲームとみれば、今でも色あせない一級品です。ひとたびボタンを押せば、広々として少し奇妙なアメリカを冒険することができる。そして、一度旅を終えた後は、いつでも音楽や街並みがその冒険を思い出させてくれる。そういったところが掛け替えのないゲームだなあと思わせてくれます。VCなどで触れやすくなっている今だからこそ、ぜひ多くの人にプレイしてほしいです。